世界一おもしろい発達障害児のママ

クスッと笑えるお茶目なブログ

お父さん

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私の父であるこっこのおじいちゃんは、自分勝手でワガママで横柄でうるさくて人前で平気でオナラをするデリカシーゼロの男です。

あぁこれじゃ悪口ばかりになるので良いところをひとつ上げておくと、彼はただの頑固くそおやじです。

あ。全部悪口になっちゃった。笑

毎週日曜日になると、「今日はこっこと遊びに来ないのか?何時に来るんだ?」と、なかば強引に訪問を促してきて、私がこっこを連れて遊びに来るのをいつも楽しみにしています。

父はこっこのことが超大好きで私のことも超大好きなんです。なのでこっこもおじいちゃんのことをまぁまぁ好きだし私も父のことをまぁまぁ好きです。

父は糖尿病の持病があるのに運動は大嫌いな美食家で、三度の飯より五度の飯。血糖値も血圧もコレステロールも高めで、数年前にはくも膜下出血で手術をしました。

三大疾患コンプリートのような父です。

どんなに食事の注意をしても、「人間どうせいつかは死ぬんだから俺は死ぬほどうまいものを食うんだ」と言ってきかないキングオブザ自分勝手。そんなんだから、私のところに毎日のように母から愚痴電話がかかってきます。

ですが最近、そんな父が体調不良を訴えて急に食事が取れなくなり緊急入院になったとの連絡が入りました。

実家へ遊びに行くといつもフードファイター並みにご飯を食べていた父。そんな父が大好物のお肉もお魚もご飯も甘いものもすべて食べたくないという。

数日後、病院から連絡が入り家族全員が呼び出され、主治医から検査の結果を聞きました。

 

 

父は、癌に侵されていました。

レントゲン写真を見ると素人目でもハッキリとわかるくらいに父の身体は癌に侵されていました。

映し出された肝臓のそのほとんどが真っ白で、白く映っているそれは間違いなく癌で、私はその白の多さに涙をこらえました。

よく癌のレベルを4段階のステージで表したりしますがステージ4が末期と言われ、父はそのステージ4の中でも末期の末期。明日でも明後日でも命が尽きておかしくないとのこと。

突然宣告された余命はとても厳しいもので、誰もが想像していなかった事態にその時はみんなただただ驚いて動揺しましたが、本当に普段から不摂生の王様なのに元気でうるさいくらいの父だったので、私はどうせきっとまたケロッと退院するよ、なんて思ったりしながら目の前にある現実が信じられませんでした。現実を受け入れたくなかったのかもしれません。

それでも毎日お見舞いに行くと、日に日に口数が少なくなりぼんやりと宙を仰ぐような目をしてやっと話したと思ったら辻褄の合わないおかしな話をするようになってきたので、『こいつまさか弱気になってないだろうな!』ってイラッときたし、父がウトウトしだすと『こいつビンタして起こしてやろうか!』って何度も迷いました。

「退院したらまたこっこと一緒にお買い物行こうね」って話してたのに急に「お母さんに今まで助けてくれてありがとうって言っておいて」とか言い出すし、普段は全然言わないのに私にも「ありがとう」とか何度も言ってきて、長女と長男のことは「あいつらはしっかりしてるから大丈夫」とか言い出して、弟のことは誰よりも可愛いくせに「あいつはすぐ怒る」とか言って、私は全然そんな話をしたいんじゃないのに!だってそれってなんかもう、死んじゃいそうな人が言うことじゃん!

でも、本当にそれが最期のあいさつみたいになって、そして、

平成31年3月8日深夜、父は静かに息を引き取りました。

 

ドリフ世代の私はいかりや長介さんが亡くなった時すごく悲しかったです。

昭和の大スター美空ひばりさんが亡くなった時私は子どもだったけどすごく寂しくなりました。本田美奈子さんの死には涙が沢山溢れたし、大女優の樹木希林さんが亡くなった時はもう現役での彼女の演技が見られないのかととても残念な気持ちになりました。

野球の星野監督も、笑点の歌丸さんも、ちびまる子ちゃんのさくらももこさんも、海老蔵の小林麻央さんも、もうこの世ではなく天国にいるんだなぁと思うと寂しい気持ちになります。

でも、

その中の誰よりも有名じゃないし偉大でもない、おまけにデリカシーもないような父の死が今の私は一番悲しいです。

もう一回だけでいいから話したい。なんならまたくだらないケンカをしたっていい。でももうこいつの目、開かないんだなって思ったら生きてる時にもっとちゃんと目を見て話をしておけばよかったなって、なんつーか、悔しいです。

めんどくさがらずにもっといっぱい実家行っときゃよかったし、もっと素直に甘えときゃよかった。

〝おもしろママ〟とか名乗っておいてこんな内容のブログでごめんなさい。

でもどうしても今のこの正直な気持ちを残しておきたくてこうして書いてしまったんですが、このブログを読んでくれる人はきっとみんな広くて優しい心の持ち主だと信じ、そして「っつーかこれ私のブログだしいいじゃん何書いても」ってちょっぴりふてくされながら書いちゃったんで、どうか本当に皆さんの心が広くて優しいことを祈ります、ごめんなさい!

 

日曜日が来るたびに、なんで日曜なのに電話してこないのよー!って思っちゃいそうで悔しいです。

また一緒にスーパーに行って、これも買ってあれも買ってってもう私に甘えてくれないのが悔しいです。

お母さんが私にくれたイチゴを全部食べちゃって、いつもこっぴどく叱られる父をまた叱れないことが悔しいです。

お父さんがこんなに早く死んじゃうってわかってたらもっともっと叱ってたし、お父さんがこんなに早く死んじゃうってわかってたらもっともっと会いに行ってたのに、最近までわかんないでいた自分に悔しいです。ザブングルの加藤か私かってくらい悔しいです!

なんで教えてくれないのよ神さま。

わかってたら、こんなのいらないでしょうなんてケチなこと言わずになんだって買ってあげたのに。

なんでちゃんと私の言うこと聞いて買わないのよお父さん。

なにを遠慮してんのよ。

死んじゃうのわかってたら我慢なんてさせなかった。

もっとちゃんとお父さんの話聞いたし、もっとちゃんと自分のことも話したよ?

あなたの娘はあなたが死んだことにイライラしています。死んだからってね、労って優しくしてもらえると思ったら大間違いよ甘えないでねお父さん。

だけどこれだけはずっと言えなかったんで言っておきます。お父さんあのね、

 

 

私もまぁまぁ大好きだよ、ありがとう。